かなんごろぐ

オタクの雑記帳

オタク、高尾山へゆく

プロローグ

2020年12月某日…

オタク(俺)「影響されるオタクだから、ヤマノススメ読んで"登山欲"高まっちまってよ…。オタク、俺と行かないか?」

 

オタク(俺じゃないほう)「いいよ」

 

オタク「よっしゃあ、来月行くぞ!」

 

 

2021年1月某日…

オタク「すまん防寒着なくて今行ったら凍死する、暖かくなってから行こう」

オタク「いいよ」

 

2021年3月某日…

オタク「すまん暫く忙しいから来月にお願いします…」

オタク「いいよ」

 

2021年4月某日…

オタク「よし4/17行くべ!!!」

オタク「いいよ」

 

2021年4月17日

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オタク「また今度行きましょう…」

オタク「いいよ」

 

2021年5月某日…

オタク「GW後に行くべ!!!5/22や!」

オタク「いいよ」

 

 

そ し て 訪 れ る 雨 季

 

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天の神の試練は続く

 

我々はどこまで耐え忍べば良いのか

 

心が折れかけた

 

その時

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2021年5月22日

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曇天やないかい。

 

今回の登山概要

高尾山口駅をスタートとし、そこから高尾山、城山、弁天橋を経て相模湖駅をゴールをするルートを採用。

登頂ルートが複数ある高尾山ですが、今回のルートはわりとマイナー気味。休憩時間込でおおよそ5時間の経路です。

 

また、同行者はオタク(金9@クラッカー(@cracker_lol)、以下金9)であり、オタク二人の登山行となります。地獄だ。

高尾山口〜高尾山山頂

あからさまな曇天でスタート前から意気消沈気味のオタクと金9。なんか霧雨降ってるし。しかし行くと決めたからには歩みを止めるわけには行かない、今回の登山ルートを看板で確認した後、稲荷山コース入口からいざ入山。

 

お互いの近況など他愛も無い会話をしつつ、10分ほど登ると早くも開けた場所に出る。

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旭稲荷神社である。とても小さい神社であり、特筆すべき箇所はなかった。鳥居をくぐり簡単な挨拶を済ませ、山頂目指し歩みを進めることに。

 

幸い霧雨は止んだものの、とにかく霧がひどい。ただでさえ鬱蒼とした道に霧が掛かっているモンだから、MHPの密林(2ndGの旧密林)のような雰囲気がある。登山と言えば、木々の間から差し込む日光が見どころの一つと思っているが、望むべくもない。

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もはや不気味さすら感じる。

とはいえ、湿度のおかげか木々や緑の匂いは特段濃い印象。これもまた乙ナリ、と納得しながら中間地点の展望台へ。

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【展望】[名]…遠くまで見渡すこと。また、そのながめ。見晴らし。(goo辞書より)

取り敢えず落ち着くために辞書で”展望”の意味を調べ、成程そういうことねと反芻したものの、このあたりから動揺が隠せなくなっていた。おまけに金9は既にヘロヘロである。氏曰く「毎日在宅勤務で一歩も家から出てない」。日々の運動不足が堪えたのか既に脚が痛いようだ。

 

展望台に休憩用ベンチがあったため、そこで水分補給と軽食で準備を整え、再び山頂を目指すことに。しかし、この時既にお互いの心は折れかかっていた。

 

前日までの雨の影響か、山道のぬかるみが酷く、足場は劣悪であった。これなら整備されている1号路コースを行くべきだったかと後悔したものの、時既にお寿司。泥に足を取られながらも、お互い無心で登り続けた。

 

スタートから1時間と15分、最後の階段を登りきりようやく山頂へ。やっと1つ目だ、と安堵したのも束の間。

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山頂からの景色。何も見えない。

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閑散とした山頂広場。ここは年間登山者数世界一位です。

まるでこの世の終わりのような光景である。登頂時には達成感が付き物だが、この有様では達成感よりも不安が滲み出る。

しかし、今回の旅路はここがゴールではない。次の目的地である小仏城山を目指すため、食事をキメようとしたところ

 

新型コロナウイルスまん延防止のため5月31日まで休業します」

 

食堂にこの張り紙である。あ、死んだわこれ世界終わった今回の旅終了〜と絶望しかけたが、幸い休業しているのは2つある食堂のうち1つだけであり、もう一方は営業していた。金9はカレー、オタクは山菜そばを注文し、次の目的地へのエネルギーを補充した。

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登頂後のメシがこの世で一番うまい

高尾山山頂〜小仏城山

天気予報では午後にかけて次第に晴れていく模様だったので、希望を胸にいざ城山へ。

昼食を摂ったことでお互い元気が出たのか「2ndGの狩猟笛はゴミ武器だったな」と柄殴り(◯ボタン)の攻撃モーションのモノマネをしてギャハハと盛り上がりつつ、階段を登った。途中、水分補給のために立ち止まっていたところ、通りかかったおばちゃんが突然話しかけてきて

 

「あなたたちどこ目指してるの?え、相模湖?へえところでアンタ(オタク)はいいけどアンタ(金9)その靴じゃ危ないわよこれから天気どうなるか分からないし早めに登っちゃったほうが良いわよこの前アタシなんかさあクドクドクド(あまりの剣幕に記憶喪失)ところでアンタ達未成年?あ、成人してるのってことはもう仕事してるのじゃあお酒飲めるのねコレさっきアタシもらったんだけどアタシお酒飲まないからさあもらって頂戴気にしなくていいわよこんなに小さいやつだからホラ遠慮しないでどうぞそれじゃあ気をつけてね」

 

よく分からないが嵐が過ぎ去ったと思ったら手元に酒があった。これも一期一会、登山の面白さなのだろう。

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パッケージは土で少し汚れていた。レアアイテムの予感。

城山までの道の中、ウグイスの「ホーホケキョ」が絶えず飛び交っており、これぞ大地のBGMだなと感心した。耳が心地良い。しかし優れたBGMがあっても景観は相変わらず悪いままだ。

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先の見通しが悪く不安になる。写真以上に、実際は視界が悪く感じた。

途中、城山展望台に分岐する道があったため、景色悪いだろうけど一応行ってみるかと展望台ルートを選択し展望台に行った。高尾山より標高は高いのでもしかしたら何か見えるかもしれない、と一縷の望みを持っていたのだが、今覚えば疲労で頭が回っていなかったのだろう。

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知ってた

霧の中をひたすら歩く。お互い、疲労と景色の悪さから、フィジカルもメンタルもグロッキー状態である。次第に口数も少なくなり、只々歩くだけのマシーンになっていた。

 

高尾山山頂を出発してからおよそ50分、ようやく城山山頂へ到着。景色は言わずもがな。

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高尾山より標高は高いが、景色は変わらず一面霧。

オタクより遅れること数分、ようやく金9も城山山頂へ到着。登頂するなり近くのテーブルに倒れ込み、その疲労度が伺えた。

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金9「もう動けん」

山頂のお店は営業しており、城山名物「なめこ汁」を堪能することができた。

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登りきった後は格別の旨さ

小仏城山〜弁天橋

本日の最高到達点に達した後は、ひたすら下るのみである。弁天橋のある千木良方面へ向かって下山するのだが、本当に何もない。先程までのルートでは、他の登山客とすれ違うことは度々あったが、どうやら城山から千木良方面へ向かう客は全くいないのか本当に何もない。人も、モノも。完全にオタク二人のみの世界である。なにこれ。

 

あまりにも虚無虚無プリンな下山道を行くこと20分、突然山道に脇道とベンチが現れた。何かあるに違いないと駆け込むと、そこには今回の旅の中で始めてと言っていいほどの景色があった。

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山中から眺める相模湖。圧巻の景色。

これまで霧一面の展望に泣かされたオタク一同だが、ここに来てようやく“らしい”景色を拝むことに成功。唐突にモチベが上がり、「街が見えたってことはもうすぐや!」と気合が入る。

 

それから30分後ーーーー

そう、30分である。街が見えたのだから下山ももう終わると勘違いしたオタク一同は、30分の間「まだか、街はまだか!」「おかしい、さっき見た景色は幻…?」「コンクリートが恋しい」「足痛い」と苦痛に苛まれ続けたのである。それでも負けじと歩を進め、ようやく下山。無事千木良登山口に降り立つことができた。

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疲労カンストし、生まれたての子鹿のようになった金9

ここから田舎道や遊歩道を経て、弁天橋へ向かった。

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遊歩道から見た弁天橋。景勝地らしい見晴らし。

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滝。綺麗すぎてずっと見てた。

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この付近に住み着いている猫「りぼん(♀)」と接触を図る金9。この後フラれる。

そして今回の旅の終着点「弁天橋」に到着!

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これまでの、悪天候による落ち込みや疲労が吹っ飛ぶような達成感が得られた。川の水もきれいで、来てよかったと心から思えるほどに癒やされる空間だった。晴れていればより素敵な景色だったとは思うが、それでも十分に満足の行くゴールであったと思う。

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金9もご満悦の様子

弁天橋〜相模湖駅

急 勾 配 の 坂 道

最 寄 り 駅 ( 徒 歩 3 0 分 ) の 罠

看 板 が 少 な く 不 安 に な る 街 道

の し か か る 極 度 の 疲 労

正直ここが一番しんどかった 相模湖駅についた後はプレジャーフォレストの温泉で体を休めました

エピローグ

オタク「この達成感、山、辞めらんねェ〜…ッ。次も行くぞ!」

オタク「いいよ」

 

to be continued...

 

おまけ

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Galaxy S10の処理まじですごい AIが滝認識してくれたのは本当にビビった

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にゃ。りぼんは木登りが得意だそうです

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オタクの自撮り写真は希少とされており

多分また行きます オタク募集中🖐

終わり