かなんごろぐ

オタクの雑記帳

小説 言の葉の庭 感想 [読書感想文]

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本書は「君の名は。」「天気の子」の監督として知られる、新海誠の中編アニメ「言の葉の庭」を監督本人がノベライズしたものです。

ざっくり言えば恋愛のお話。雨が降った時だけ出会うことになるタカオとユキノが不思議な展開で惹かれあっていく物語です。(雑)

キャッチコピーは「”愛”よりも昔、”孤悲”(こい)のものがたり」。

 

アニメでは主要人物となるタカオとユキノの二人のみにフォーカスが当たっていますが、小説ではその二人に関わるタカオの家族やユキノの知人のエピソードが盛り込まれており、より深い内容まで知ることができるようになっています。

 

KADOKAWA作品が各所でセールをしていて、実質200円で購入できるチャンスがあったので読んでみました。以下感想。

1.男女の色恋は千年経っても変わらないんだなって思った。

小説版言の葉の庭は、それぞれの登場人物のエピソードを象徴するように、日本最古の歌集と言われる万葉集の和歌を一首挙げています。ざっくばらんに言えば、タカオやユキノ、彼らの知人の色恋沙汰は、千年前に詠まれた歌と似たようなケースにあるということ。

男と女、こと色恋沙汰においては現代も千年前も変わらずに互いを想ったり慈しんだりするものなんだなあと、和歌の和訳を読んで思いました。

とは言え昔はスマホなんて便利なものはなかったので、きっと現代よりロマンティックな恋愛だったんだろうなー。

 

2.”ちょっとおかしい”登場人物にリアルな人間らしさを感じた。

本書では「どうせ人間なんて、みんなどっかちょっとずつおかしいんだから」という台詞が出てくるのですが、まさにその通りに登場人物はみんなどこかがちょっとおかしい感じがします。でも、そんなおかしさが逆に人間らしさを強めていて、なんとなーく同情したり感情移入したりしました。

しかしこの台詞、なかなか印象に残るというか、脳裏に焼き付く感じがある。もしかしたら俺もどっかおかしいのかもしれない・・・。

 

3.恋愛ってこんなに身近だったのかーって思った。

本書のメインはタカオとユキノ、二人の男女のお話ですが、タカオの兄も、母も、ユキノの元恋人もみーんな恋愛において何かしら思う部分があったり感じたりしていて、そういうエピソードが述べられているわけです。いや、みんな恋愛しすぎじゃね?

俺はエロゲ育ちオタクなので恋愛模様なんて腐るほど見てきたけれど、それらは所詮”二次元の話”であり、いわば別世界のものとして脳みそが処理していました。でも、上に書いたようにリアルさを感じる人物たちがここまで恋愛しているんだなーと思うと、恋愛って二次元だけじゃなくてもっと身近にあるものなんだなぁという感じがしました。


この作品はスルメみたいな作品で、ずがーーんというエモさがあるわけじゃないですが、じわじわとエモみが浸透してくるみたいな良さがあります。

 

アニメは50分もない短い作品であり、小説も1日~2日あれば読破できるようなボリュームなので、ちょっとした気分転換や暇なときに是非見てみてはどうでしょうか~。

 

ちなみに俺は、恋愛に関しては年下すぎても年上すぎてもダメなタイプです。±2歳くらいがいいです。

 

終わり