かなんごろぐ

オタクの雑記帳

深海のロマンとヒューマンドラマがうまくMIXした「マグメル深海水族館」が面白すぎるのでそこのオタクも読まないか?[感想]

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友人が書いた感想記事を読んで「これは面白いに違いない!」と読み始めた本作、案の定面白かったです。あんまりにも面白かったので自分の言葉でも表現したいなと思い、便乗感想書いちゃいました。

 

あらすじ

マグメル深海水族館は、東京湾の水深200メートルにある世界唯一の水族館。ここでは、深海に潜む生き物たちを身近に観察することができる。清掃員のアルバイトとして働くことになった天城航太郎は、深海生物が大好きで、少し引っ込み思案な青年。ある日、館長の大瀬崎湊人に出会ったことで、彼の人生に変化が訪れる――。深い海の底で生きる深海生物たちの魅力とひとりの青年の成長を描く、心あたたまる物語が始まる。

Google Booksから引用

 

本作の舞台は深海生物の水族館という、一風変わったところになります。そこで職員として働く人達が、深海生物と触れ合うことで様々なドラマを見せてくれる内容となっています。

僕は深海生物が好きで、TVで特集番組をやっていると食いついちゃうんですよね。ロマンがある、深海は。作中では深海生物が持つ個性的な生態の紹介や、それを人の生き方と絡めての描写があり、そのどれもが楽しく読めるようになっています。

 

おもしろポイント

深海生物の紹介が分かりやすく楽しめる

日常とはかけ離れた存在である深海生物、当然多くの人は触れる機会がないため、どういう姿なのか、何を食べるのか、殆ど何も知らないでしょう。本作では、そうした人にも深海生物の魅力が伝わるよう、漫画内で分かりやすく紹介されています。

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左が作中、右はおまけページ。チョウチンアンコウは比較的馴染みある深海生物ですが、皮膚が脆いというのは初耳!

幾度か名前を耳にするリュウグウノツカイチョウチンアンコウだけでなく、オオタルマワシミツマタヤリウオなど、マイナーな生物も紹介されており「なんだこの生物面白すぎか?」といったものが散見されます。”光に当たると体内で毒を生成し、その毒で自ら死んでしまうクラゲ”がいることを知った時は、目からウロコどころか、目玉が飛び出ましたね!(ここ目玉が飛びててる深海生物デメニギスにかけた深海ジョーク)

 

深海生物の生態と絡めたヒューマンドラマが読みごたえアリ

エピソードのひとつを紹介。

念願叶って学校の先生になったものの、仕事がうまく行かず思い悩んでいる女性。彼女は水族館を訪れ、そこでオウムガイアンモナイトと間違え、水族館職員に指摘されてしまいます。仕事がうまくいかない悩みをその職員に打ち明けたところ、「オウムガイはアンモナイトとの競争に負け、エサの少ない深海に追いやられた。しかし、隕石の衝突により浅瀬のアンモナイトは滅び、深海のオウムガイは生き残った。深海に生きる道を見つけたオウムガイのように、貴方の場所は他にもあるかもしれない。貴方が思うより海は広いですよ。」と励まします。

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こんなん言われたらズッキュンよ

本作はただの深海生物紹介マンガに納まらず、このように深海生物と人々を結びつけた描写が用いられ、とても魅力的です。そのどれもが感動的であり、ついつい引き込まれてしまいます。こうした描写が本作最大の魅力と言えるでしょう。

登場人物が個性的

主人公の航太郎は深海生物大好きマン。まだまだ勉強中だけれども、誰にも負けない深海生物への愛で多くの人を巻き込んでいく魅力があります。また、明るく朗らかで主人公をサポートしてくれる湖ちゃんや、ツンデレ仕事人の朝陽くん、水族館の運営にある想いを秘めた館長の湊人など、多くの個性的な人物が本作を彩ります。ちなみに俺の推しは時折深海生物を譲渡してくれる、漁師の深夜くん。海の男、陸に上がればイケメンおしゃれでセリフもいちいちカッコイイ。こんなんガチ恋不可避だろ…。

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あーダメ、イケメンすぎます これはまずいですよ

テーマが深海生物と中々マイナーですが、それを上手く活かしており、ページをめくる手が止まらない!そんな作品です。

 

派手さはないものの、水族館で働く職員たち、そこを訪れる来客たちが深海生物の在り方から心動かされるシーンはじんわりとした面白さがあります。

 

2021/5現在7巻まで刊行されており、秋葉原の書泉では遠くからも分かるように「マグメル深海水族館」のインデックス(見出しプレート)が用いられるなど、人気も高いようです。

深海にロマンを感じるオタク、風変わりなマンガが読みたいオタクは是非読んでみてください。

 

終わり